住宅ローン控除の条件(2024〜2025年)を新築・中古別にわかりやすく整理

住宅ローン控除の条件(2024〜2025年)を新築・中古別にわかりやすく整理

2024〜2025年の住宅ローン控除は、省エネ要件の強化や住宅の種類ごとの借入限度額の違いなど、確認すべき条件が増えています。新築・中古・買取再販・リフォームで要件が異なるため、まずは全体像と共通条件を押さえることが近道です。

この記事では、控除の仕組み(所得税・住民税の控除関係)から、物件タイプ別の適用条件、改正ポイント、申請手続き、併用時の注意点までをチェックしやすい形で整理します。

目次

住宅ローン控除(減税)とは

住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住宅を取得(または一定の増改築)した場合に、年末のローン残高等に応じて税額控除を受けられる制度です。まずは控除される税金の種類と計算の基本を理解しましょう。

住宅ローン控除は、支払った税金の計算結果から直接差し引く税額控除です。つまり、控除額がそのまま税負担の軽減につながる一方、そもそもの納税額が小さいと控除枠を使い切れないことがあります。

2024〜2025年は住宅の性能区分や入居時期で条件が細かく分かれます。最初に制度の骨格を理解しておくと、次に出てくる新築・中古などの条件整理が一気に読みやすくなります。

実務上は、物件の要件とローンの要件と手続きの3点セットで判定します。どれか一つでも欠けると適用できないため、購入前から逆算して確認することが重要です。

控除される税金の種類と仕組み(所得税・住民税)

住宅ローン控除は、基本的に所得税から差し引かれます。年末調整や確定申告で計算した所得税額から控除し、引ききれなかった分がある場合に限って、一定の上限の範囲で住民税からも控除されます。

ここで大事なのは、所得を減らす所得控除ではなく、税額を直接減らす税額控除だという点です。そのため、年収が高いか低いかよりも、最終的な税額がどれだけあるかが実際のメリットを左右します。

控除可能額は上限まで自動的にもらえるわけではなく、納税額が上限になります。例えば、控除枠が20万円あっても、所得税・住民税の控除可能枠が合計で15万円なら、実際に得られるのは15万円です。

控除額の基本(年末残高×控除率)

控除額の基本は、年末時点の住宅ローン残高に控除率を掛けて計算します。2024〜2025年の一般的な控除率は0.7%で、さらに住宅の種類や性能に応じた借入限度額が上限として設定されます。

つまり、ローンを多く借りても、借入限度額を超えた部分は控除計算に反映されません。控除の最大化を狙うなら、借入額そのものよりも、自分の住宅がどの区分に当たり、いくらまでが控除対象残高になるかの見極めが先です。

年末残高は返済が進むほど減っていくため、控除額も毎年同じとは限りません。特に繰上返済をすると残高が早く減り、控除額も下がるため、繰上返済は控除期間・金利・家計余力をセットで判断するのが現実的です。

住宅ローン控除の共通の適用条件

新築・中古・買取再販・リフォームのいずれでも、まず共通条件を満たさないと控除を受けられません。入居時期、面積、所得などの基本要件をここで整理します。

住宅ローン控除は、物件タイプ別の条件以前に、共通条件で足切りが発生します。特に入居時期、床面積、所得要件は審査の中心で、どれかが曖昧だと確定申告で手戻りが起きやすいポイントです。

共通条件は一見シンプルですが、実務では登記面積と広告面積の違い、合計所得金額の誤解、住民票の移動タイミングなどでつまずきがちです。ここで自分の状況を一度当てはめて確認しておくと安全です。

また、ペアローンや共有名義の場合は、それぞれが要件を満たしているかが問われます。名義とローン負担割合、入居実態がずれると説明が必要になるため、契約時点で整合させるのが近道です。

自ら居住すること・入居期限

住宅ローン控除は、自分が住むための住宅が対象です。投資用として貸し出す物件や、別荘のように常時居住しない住宅は原則として対象外になります。

一般には、取得や引渡し後おおむね6か月以内に入居し、その後も引き続き居住していることが求められます。入居が遅れると適用できないリスクがあるため、引渡しから住民票の異動、実際の生活開始までをスケジュールで管理するのが確実です。

複数の住宅を持っている場合は、主たる居住用であることが必要です。実態としてどこに生活の本拠があるかが見られるため、住民票だけでなく、電気・水道の使用状況なども含めて説明がつく状態にしておくと安心です。

床面積要件(緩和措置を含む)

床面積は原則50㎡以上が必要で、判定は登記面積で行われます。販売図面の面積や壁芯面積ではなく、登記簿上の面積が基準になるため、契約前に重要事項説明書や登記事項で確認しておくべきポイントです。

また、床面積の2分の1以上が居住用であることも条件です。店舗併用住宅や事務所併用住宅では、居住部分の割合が不足して対象外になることがあるため、間取りだけでなく用途割合の扱いも確認が必要です。

40㎡以上50㎡未満でも認められる緩和措置が使えるケースがありますが、期限や所得要件の強化など追加条件が付くことがあります。面積がボーダーの場合は、適用できる前提で動くのではなく、追加条件まで満たせるかを先にチェックするのが失敗しない進め方です。

合計所得金額の上限

所得要件は原則として合計所得金額2,000万円以下です。これは年収そのものではなく、給与所得控除や各種控除を反映した後の所得ベースの金額なので、年収だけで判断すると勘違いが起きます。

面積の緩和措置(40〜50㎡)を使う場合など、合計所得金額が1,000万円以下に引き下がるケースがあります。面積が小さい物件ほど所得要件が厳しくなることがあるため、物件選びと税制条件が連動している点に注意が必要です。

実務では、医療費控除やふるさと納税のワンストップ特例の取り扱いなどで所得や税額の見込みが変わることがあります。購入年の年末に慌てないために、源泉徴収票や確定申告書の控えを基に、早めに合計所得金額の見込みを把握しておくと確実です。

控除期間と借入限度額の考え方

控除期間は住宅区分により10年または13年に分かれます。加えて、借入限度額は住宅の性能区分や入居年で異なり、同じ新築でも認定住宅か、省エネ基準適合かなどで上限が変わります。

借入限度額は、控除計算のベースとなる年末残高の上限です。例えば残高が上限を超えていても、上限までしか控除計算に使われないため、ローンの借入額を増やせば控除が増えるとは限りません。

控除の効果を正しく見積もるには、控除率や期間だけでなく、自分の税額で控除枠を使い切れるかを合わせて考える必要があります。特に共働きで所得税を分け合う場合は、持分やローン割合の設計が控除の実効額に直結します。

対象となる住宅ローンの条件(返済期間・借入先など)

物件要件だけでなく、ローン自体にも要件があります。返済期間や借入先の条件を満たしているか事前に確認しておくと手続きがスムーズです。

住宅ローン控除は、どんな借入でも対象になるわけではありません。ローンの契約形態や返済期間が要件を満たさないと、物件が条件を満たしていても控除が使えないことがあります。

特に注意したいのは、短期ローンへの借換えや、親族借入のように形式が整っていない借入です。税務上の要件は形式面を重視するため、契約書や返済方法が整っているかが重要になります。

ローンの要件は契約時点で確定するものが多く、あとから修正しにくい項目です。契約直前ではなく、銀行選びの段階で控除の対象になり得るローンかを確認しておくと安全です。

返済期間10年以上などローン側の要件

一般的な要件として、返済期間が10年以上で、分割返済であることが求められます。ボーナス一括返済の比率など細部は金融機関商品によりますが、少なくとも実質的に分割で返していく契約である必要があります。

また、住宅の取得や一定の増改築等のための借入であることが前提です。例えば、使途自由のフリーローンや、名目が住宅取得でも実態が別用途だと説明が難しくなります。

借入先は民間金融機関や住宅金融支援機構などが一般的に対象です。契約書や年末残高証明書が発行されるローンであることが、申告実務上も重要になります。

親族・勤務先からの借入が対象になるか

親族や知人からの借入は、住宅ローン控除の対象外になりやすいのが実情です。利息や返済条件が市場相当ではない、契約や返済実態の立証が難しいなど、税務上のローンとして扱われにくい論点が多いためです。

勤務先からの借入は一律に否定されるわけではありませんが、金利が著しく低い場合などは扱いが分かれます。福利厚生としての社内融資規程、金利、返済方法、契約書面の有無を確認する必要があります。

迷ったときは、契約前に勤務先の担当部署や税理士に確認し、必要なら民間ローンに切り替える判断も含めて検討するのがリスクを最小化します。

新築住宅の適用条件

2024〜2025年入居の新築は省エネ要件の影響が大きく、住宅の性能区分によって借入限度額や控除期間が変わります。該当区分を正しく判定することが重要です。

新築は制度改正の影響を最も受けやすく、2024〜2025年は省エネ性能が適用可否と控除上限を左右します。購入者側が性能区分を誤解していると、想定していた控除額から大きく下がることがあるため注意が必要です。

実務でのポイントは、性能そのものだけでなく、証明書類が間に合うかという段取りです。性能が高くても証明できなければ区分を確定できず、申告で追加提出が必要になりやすいので、引渡し前後で書類の発行元と時期を押さえておくことが重要です。

また、同じ新築でも、入居年や世帯属性で借入限度額が変わる場合があります。家計の設計としては、住宅価格だけでなく、どの区分で控除を見込むのかを資金計画に織り込むと判断の質が上がります。

省エネ基準と「その他の住宅」扱い

2024〜2025年の新築では、省エネ基準に適合していることが重要な前提になっています。住宅ローン控除は省エネ性能の高い住宅ほど有利に設計されているため、購入前にどの基準に適合するかを施工会社や売主に確認する必要があります。

省エネ基準を満たさない場合は「その他の住宅」として扱われ、適用が条件付きになったり、借入限度額や控除期間が不利になったりします。さらに、一定の時期要件を満たさないと対象外になるリスクもあるため、建築確認や建築時期の確認が欠かせません。

区分の判定は口頭説明だけでは不十分で、証明書類が必要になります。確定申告で求められる書類を逆算し、誰が発行し、いつ手元に届くのかまでスケジュール化しておくと安心です。

住宅の種類別の借入限度額(認定住宅・ZEH・省エネ基準)

借入限度額は、認定住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅などの区分で異なります。一般に、性能が高い区分ほど限度額が高く設定され、控除の上限も大きくなります。

2024〜2025年は、過去の入居年と比べて限度額が段階的に引き下げられる区分がある点にも注意が必要です。自分が何年入居になるかで上限が変わるため、引渡し遅れがそのまま税制メリットの減少につながる可能性があります。

限度額はローン残高の上限なので、住宅価格が高いほど重要になります。特に都市部の新築では残高が上限を超えやすく、実際の控除額が上限で頭打ちになるケースが多いため、控除を前提に返済計画を組みすぎないことも大切です。

子育て世帯・若者夫婦世帯の優遇(該当条件)

子育て世帯や若者夫婦世帯は、借入限度額の上乗せなどの優遇が設けられることがあります。該当するかどうかで控除の上限が変わるため、条件に当てはまる場合は必ず確認したいポイントです。

典型的には、夫婦の年齢要件や、19歳未満の扶養親族がいるかどうかなどで判定されます。重要なのは、申告時点で確認されやすいのは実態ではなく書類であるため、住民票の記載や扶養の取り扱いが整っているかが実務上の要点になります。

共働き世帯では、どちらが控除を受けるか、持分やローン割合をどう設計するかで効果が変わります。優遇がある年に入居する場合ほど、契約前に名義と借入の設計を固めておくと、控除を取りこぼしにくくなります。

中古住宅の適用条件

中古住宅は新築と異なり、築年数(耐震基準)を満たすかどうかが重要な分岐になります。物件の状態に応じて必要書類が変わる点も押さえましょう。

中古住宅は、価格や立地の選択肢が広い一方で、税制面では耐震基準の確認が最大の分岐になります。築年数だけで判断すると誤りやすく、いつの耐震基準で建てられたかが重要です。

書類面では、建物の状況によって必要書類が追加されます。売買契約が固まってから書類が揃わないと、申告期限に間に合わないリスクがあるため、内見段階から売主や仲介会社に確認しておくのが現実的です。

また、中古でも認定住宅や省エネ性能の高い住宅に該当するケースがあります。新築ほど一般的ではないものの、該当すれば控除上の区分が変わる可能性があるため、性能評価書などの有無も合わせて確認するとよいでしょう。

築年数要件と耐震基準(必要書類の考え方)

中古住宅では、新耐震基準に適合しているかどうかが重要です。一般的には、昭和57年以後に建築された住宅は新耐震基準相当として扱われやすく、条件整理がしやすくなります。

一方で、基準を満たすかが不明確な場合や、古い建物の場合は、耐震基準適合証明書などの書類が必要になることがあります。これは適用可否を左右する書類なので、取得できるかどうかを先に確認し、必要なら検査や手配の期間も見込む必要があります。

段取りとしては、物件情報で築年と構造を確認し、次に仲介会社や売主に用意できる書類を確認し、足りなければ誰が費用負担して取得するかを詰めます。税制は後から何とかするより、契約前に条件を揃える方が圧倒的に楽です。

買取再販住宅の適用条件

買取再販住宅は「業者が買い取ってリフォーム等を行い再販売する中古住宅」で、通常の中古より追加の要件があります。対象に当たるかを誤認しやすいので注意が必要です。

買取再販は見た目がきれいなリノベ済み物件が多く、買う側は新築に近い感覚になりがちです。しかし税制上は中古の一種で、しかも追加要件があるため、広告表現だけで判断すると危険です。

実務では、売主が宅地建物取引業者であることや、一定の増改築等が実施されていることなど、取引の形が要件に直結します。同じように見えるリフォーム済み物件でも、個人売主の中古だと買取再販扱いにはなりません。

また、追加書類が発生しやすい点も特徴です。申告時の負担を減らすためにも、購入前に売主側でどの証明書を用意できるのかを確認しておくと安心です。

買取再販で求められる要件(リフォーム・増改築等)

買取再販住宅では、宅建業者が買い取った住宅に対して一定の増改築等を行い、再販売することが前提になります。加えて、業者が取得してから一定期間内の再販売など、取引のタイムラインに関する要件が絡むことがあります。

耐震要件との関係も重要です。中古住宅としての耐震基準の確認に加え、リフォーム内容が要件を満たすかどうかを証明する必要が出るため、通常の中古より確認事項が増えます。

代表的に、増改築等工事証明書など追加書類が必要になります。物件を選ぶ段階で、売主がその書類を準備してくれるのか、発行主体は誰か、発行までの期間はどれくらいかを確認しておくと、申告時のリスクを抑えられます。

リフォーム・増築の適用条件

住宅ローン控除は購入だけでなく、一定のリフォーム・増築でも対象になることがあります。ただし対象工事や工事費、書類の要件が細かいため事前確認が必須です。

リフォームや増築での住宅ローン控除は、使えると家計への効果が大きい一方、対象工事の範囲や証明の条件が細かく、自己判断で進めると外しやすい分野です。契約後に対象外と分かると取り返しがつきにくいため、工事発注前の確認が重要です。

対象になるかは、工事の内容、工事費、ローンの条件、そして証明書類のセットで決まります。例えば、見積書の内訳が粗いと対象工事費の切り分けができず、証明書の作成に支障が出ることがあります。

リフォームは補助金と併用することも多いため、補助金がある場合の取得対価の扱いなど、計算面の注意も出てきます。税務だけでなく、施工会社と書類面の連携を取ることが成功の鍵です。

対象工事と工事費要件の確認ポイント

対象工事は、一定の省エネ、耐震、バリアフリーなど、要件を満たす工事類型に該当する必要があります。単なる内装更新のように見た目を整えるだけの工事は、対象にならないことがあるため、工事目的を要件に沿って整理することが大切です。

工事費も判定要素になります。総額だけでなく、対象工事部分の金額が分かる見積明細や契約書の整備が重要で、ここが曖昧だと証明書の発行や税務署での説明が難しくなります。

多くの場合、増改築等工事証明書が必要になります。領収書や明細、契約書は後から揃えにくいので、工事開始前から保管ルールを決め、書類を一本化しておくと申告時に迷いません。

2024年以降(2025年)の制度改正ポイントと注意点

2024年以降の改正は「省エネ基準」を軸に適用可否や区分が変わるのが最大のポイントです。対象外リスクを避けるために、改正点を先に確認しておきましょう。

2024年以降の住宅ローン控除は、省エネ性能が制度の中心に置かれています。これにより、従来は控除を受けられたタイプの住宅でも、条件を満たさないと対象外になるケースが出てきました。

特に新築では、建築確認の時期や建築時期が適用判定に関わる場合があり、購入者側がコントロールしにくい要素が増えています。売主や施工会社に確認する項目を早めに整理しておくことがリスク管理になります。

改正点は控除額の大小だけでなく、適用できるかできないかの分岐を生みます。資金計画で控除を見込むなら、適用可否を契約前に固める姿勢が重要です。

省エネ基準を満たさない住宅は原則対象外

省エネ基準を満たさない住宅は、原則として住宅ローン控除の対象外となる流れが強まっています。これは、税制を通じて住宅の省エネ化を促す政策意図が背景にあります。

ただし、一定の条件を満たす場合に限り「その他の住宅」として扱われ、控除が認められるケースがあります。代表的には、建築確認や建築時期が一定の期限以前であることを証明できるかがポイントになります。

購入前に確認すべきなのは、どの性能区分に該当する予定か、証明書を誰が用意するか、建築確認日や建築日の証明が可能か、の3点です。口頭での説明に頼らず、書面で確認できる状態にしておくと対象外リスクを避けやすくなります。

住宅ローン控除の申請方法

住宅ローン控除は自動適用ではなく、原則として初年度の申告が必須です。会社員と自営業で2年目以降の手続きが異なるため、年次ごとに流れを整理します。

住宅ローン控除で最も多い失敗は、初年度の申告漏れです。入居しただけでは適用されず、初年度は原則として確定申告をしてはじめて控除がスタートします。

もう一つの落とし穴は、必要書類の不足です。登記事項証明書や契約書の写し、年末残高証明書に加えて、省エネ性能や認定区分に応じた書類が必要になるため、物件タイプごとに分岐を理解して準備する必要があります。

2年目以降は会社員なら年末調整で進められることが多い一方、借換えや転職などライフイベントで手続きが変わることがあります。毎年同じとは限らない点を前提に、年末に確認する習慣を作ると安心です。

1年目:確定申告の流れと必要書類

初年度は確定申告で申請します。確定申告書に加えて、住宅借入金等特別控除額の計算明細書を作成し、控除額を計算して提出するのが基本の流れです。

必要書類の基本セットは、年末残高証明書、登記事項証明書、売買契約書または請負契約書の写しなどです。土地ローンを含める場合は、土地の契約書や登記事項が必要になることもあります。

省エネ区分や認定住宅などに該当する場合は、住宅省エネルギー性能証明書や性能評価書、認定通知書など追加書類が発生します。物件引渡し後に発行される書類もあるため、確定申告期限に間に合うかを必ず確認しましょう。

2年目以降:年末調整(会社員)・確定申告(自営業)の違い

会社員は、2年目以降は勤務先の年末調整で住宅ローン控除を適用できるケースが多いです。税務署から交付される書類と、金融機関から届く年末残高証明書を会社へ提出する流れが一般的です。

自営業者や個人事業主は、原則として毎年確定申告で手続きします。年末残高証明書の管理や、必要書類の保管を継続することが重要になります。

借換えや転職をすると、年末調整での処理ができなくなったり、追加書類が必要になったりする場合があります。イベントがあった年は、例年通りでよいと決めつけずに確認するのが安全です。

申告を忘れた場合の対処(還付申告・更正の請求)

初年度の申告を忘れても、状況によっては還付申告で取り戻せる可能性があります。期限が過ぎたから終わりと判断せず、いつ入居し、どの年分の申告が未了かを整理することが第一歩です。

すでに申告した内容を修正する必要がある場合は、更正の請求など別の手続きになることもあります。どの手続きが適切かは事情で変わるため、早めに税務署や税理士に相談すると判断が早くなります。

再申告では、年末残高証明書や契約書の写しなど書類の再収集が必要になりがちです。時間が経つほど集めにくくなるため、気づいた時点で動くことが重要です。

住宅ローン控除と併用・注意が必要な制度

住宅取得に関する税優遇は複数ありますが、併用可否や控除枠の競合で、期待したほど減税にならないことがあります。代表的な制度との関係を確認しましょう。

住宅ローン控除は強力な制度ですが、他の制度と組み合わせるときに調整が入ることがあります。制度ごとに税の計算上の扱いが異なり、単純に足し算できないケースがあるのが実務上の注意点です。

特に、所得税や住民税の同じ枠を使う制度同士は、片方を使うともう片方の控除余地が減ることがあります。結果として、想定していたほど還付が増えないことがあるため、控除の順番や上限の考え方を理解することが大切です。

また、贈与や補助金が絡むと、取得対価や控除計算の基礎に影響が出る場合があります。税制優遇を最大化するには、使う制度を先に決め、必要書類を一括で管理する運用が効果的です。

住宅取得等資金の贈与税非課税との関係

住宅取得等資金の贈与税非課税を使っても、住宅ローン控除を利用できるのが一般的です。ただし、控除計算の前提となる取得対価の考え方に影響が出る場合があるため、贈与額や補助金等を含めた整理が必要になります。

実務では、贈与税の申告書控えや、非課税の適用を受けたことが分かる書類の保管が重要です。住宅ローン控除の申告と同時期に確認されることもあるため、書類が分散しないようにまとめて管理しましょう。

贈与とローンの組み合わせは資金計画として有効ですが、名義や持分、贈与の受け方によっては説明が必要になることがあります。契約前に、誰がいくら負担し、誰名義で取得するかを整えておくと安心です。

他の税制優遇(ふるさと納税等)と控除枠の考え方

ふるさと納税など、所得税・住民税から控除される制度は、同じ税額の枠を取り合う形になります。住宅ローン控除が大きい年は、他の控除が効きにくくなることがあり、期待していた住民税の控除が上限で頭打ちになるケースがあります。

所得税で控除しきれない分が住民税で控除される仕組みのため、所得税額が小さい人や、住宅ローン控除額が大きい人ほど、住民税側の上限が実務上のボトルネックになりやすいです。

対策としては、控除を最大化するというより、制度ごとの上限を前提に家計の着地を見積もることです。住宅ローン控除が始まる年は、ふるさと納税の上限目安を保守的に見積もると失敗しにくくなります。

住宅ローン控除の条件チェックリスト

最後に、購入・入居前後で見落としがちな条件を一枚で確認できるように、共通要件と物件タイプ別の追加要件をチェックリスト化します。

共通要件のチェックとしては、自己居住であること、取得後おおむね6か月以内の入居、床面積(登記面積)50㎡以上、居住割合が2分の1以上、合計所得金額2,000万円以下、ローン返済期間10年以上をまず確認します。ボーダーになりやすいのは床面積と所得で、40〜50㎡の緩和を使う場合は追加条件も合わせて確認します。

新築は、省エネ性能の区分を確定し、証明書類の発行元と入手時期を押さえます。省エネ基準を満たさない可能性があるなら、その他の住宅として扱える時期要件を証明できるかも確認が必要です。中古は耐震基準を満たすか、満たさない場合に耐震基準適合証明書等を用意できるかが分岐になります。

買取再販は、売主が宅建業者であること、一定の増改築等が行われていること、追加書類(増改築等工事証明書など)が用意できることを確認します。リフォーム・増築は、対象工事類型に該当するか、工事費の要件を満たすか、見積明細や領収書を保存できているかが重要です。最後に、初年度は確定申告が必要で、2年目以降の手続きが自分の働き方で変わることもチェックしておきましょう。

まとめ:住宅ローン控除の条件は「住宅の種類」「省エネ」「手続き」を押さえる

2024〜2025年の住宅ローン控除は、住宅の区分判定と省エネ要件、そして初年度の確定申告が成否を分けます。自分の住宅がどのカテゴリーに当たるかを先に特定し、必要書類を逆算して準備しましょう。

住宅ローン控除条件を押さえるうえで最初にやるべきことは、自分の住宅が新築・中古・買取再販・リフォームのどれに当たるかを確定し、次に省エネや耐震などの追加要件を満たすかを確認することです。ここが曖昧だと、借入限度額や控除期間の前提が崩れ、試算が意味を持たなくなります。

次に重要なのは、控除は上限まで自動的に得られるものではなく、実際の税額で決まるという点です。所得税で控除しきれない場合に住民税で一部控除される仕組みを理解し、ふるさと納税など他制度との兼ね合いも含めて、実効額で見積もるのが現実的です。

最後に、初年度の確定申告と書類準備が成否を分けます。契約書、登記、年末残高証明書に加え、省エネや耐震の証明書が必要になる場合があるため、購入前から誰が何をいつ用意するかを決め、入居後に慌てない体制を作ることが最短ルートです。

よかったらシェアしてね!
目次