【2026年版】「家賃 値上げ」を阻止!賢い交渉術と引っ越し費用を抑える秘訣

突然の家賃値上げ通知に、どう対応すべきか戸惑っていませんか?実は、家賃の値上げは一方的に受け入れる必要はなく、法律に基づき拒否や交渉が可能です。この記事では、値上げ通知が届いた際のチェックポイントから、周辺の家賃相場を根拠にした賢い交渉術、そのまま使えるケース別例文までを具体的に解説します。万が一、交渉が不成立だった場合に引っ越す際の初期費用を抑える秘訣も網羅。この記事を最後まで読めば、冷静に対応し、損をしないための最善の選択ができるようになります。

目次

1. 家賃値上げ通知が届いたらまず確認すべきこと

ある日突然、大家さんや管理会社から「家賃値上げ通知書」が届いたら、誰でも驚き、不安になるものです。しかし、2026年現在、物価や建築費の上昇などを背景に、家賃の値上げは決して珍しいことではありません。 まずは慌てずに、通知の内容を冷静に確認し、ご自身の状況と照らし合わせて今後の対応を考えることが重要です。

1.1 なぜ家賃が値上げされるのか その背景と主な理由

大家さんが家賃の値上げに踏み切るのには、いくつかの理由があります。大家さん個人の都合だけでなく、社会経済の変動が大きく影響している場合がほとんどです。主な理由を理解することで、交渉の際に相手の状況を把握しやすくなります。

主な理由 具体的な内容
固定資産税などの増税 土地や建物にかかる固定資産税や都市計画税は、3年に一度評価が見直されます。 不動産価値の上昇により税額が増加した場合、その負担分を家賃に反映させるケースです。
物価や人件費の高騰 近年の世界的な物価上昇や円安の影響で、建物の修繕費、共用部分の光熱費、管理委託費といった維持管理コストが上昇しています。 これらが大家さんの収支を圧迫し、値上げの要因となります。
周辺の家賃相場との乖離 同じ地域の類似した間取りや築年数の物件と比較して、現在の家賃が著しく安くなっている場合、大家さんは相場に合わせるために値上げを請求することがあります。 特に、長年住み続けている場合に起こりやすいケースです。
物件価値の上昇 近隣に新しい駅ができたり、大規模な商業施設が開業したりするなど、再開発によって地域の利便性が向上し、物件そのものの資産価値が上がった場合も値上げの正当な理由と見なされることがあります。

1.2 家賃の値上げは拒否できる?法律上の根拠を知る

結論から言うと、大家さんからの一方的な値上げ通知に、必ずしも応じる義務はありません。 借主は値上げを拒否したり、交渉したりすることが可能です。 その法的根拠となるのが「借地借家法」という法律です。

借地借家法の第32条には「借賃増減請求権」という権利が定められています。 これは、先述したような経済事情の変動などにより現在の家賃が不相当になった場合、大家さん(貸主)と入居者(借主)の双方が、将来に向かって家賃の増額または減額を請求できるという権利です。 e-Gov法令検索 借地借家法

重要なのは、これがあくまで「請求権」であるという点です。大家さんからの値上げ請求があったとしても、借主がそれに合意しない限り、賃貸借契約の内容は変更されず、家賃は自動的に値上げされません。 もし話し合いで合意に至らない場合は、最終的に民事調停や裁判といった法的な手続きで、客観的なデータに基づき「適正な家賃」が判断されることになります。

1.3 値上げ通知書でチェックするべき4つの重要ポイント

家賃値上げの通知が届いたら、感情的にならず、まずは書面に記載されている内容を隅々まで確認しましょう。後の交渉を有利に進めるためにも、以下の4つのポイントは必ずチェックしてください。

チェックポイント 確認事項と対応のヒント
1. 新家賃と値上げ幅 「いつから」「いくらに」なるのか、具体的な金額が明記されているかを確認します。現在の家賃と比較して、どのくらいの上げ幅なのかを正確に把握しましょう。
2. 値上げの実施時期 値上げが適用される開始日を確認します。通知日から実施日まで、借主が検討するための十分な期間(一般的には1ヶ月以上、できれば2〜3ヶ月前が望ましい)が設けられているかどうかも重要なポイントです。
3. 値上げの具体的な理由 なぜ家賃を値上げする必要があるのか、その根拠が具体的に示されているかを確認します。 「固定資産税の増額のため」「近隣相場との乖離を是正するため」など、借地借家法に基づいた客観的で正当な理由が記載されているかが、交渉の出発点となります。
4. 通知の形式と日付 通知が口頭ではなく、書面で届いているかを確認します。後々のトラブルを避けるため、大家さん側は内容証明郵便で送付してくることもあります。 いつ通知を受け取ったのか、その日付も記録しておきましょう。

これらの情報を正確に把握し、整理しておくことが、次のステップである「交渉」に向けた最初の準備となります。

2. 家賃の値上げを阻止するための賢い交渉術

家賃の値上げ通知が届いても、すぐに諦める必要はありません。大家さんや管理会社との交渉は、入居者の正当な権利です。感情的にならず、客観的な根拠を持って冷静に話し合うことで、値上げを阻止したり、値上げ幅を圧縮したりできる可能性は十分にあります。この章では、交渉を有利に進めるための具体的な準備とテクニックを詳しく解説します。

2.1 交渉を始める前に準備すべきこと

家賃交渉の成否は、事前の準備で9割決まると言っても過言ではありません。「ただお願いする」だけでは、成功の確率は低いでしょう。客観的なデータと論理的な根拠を揃えることが、交渉の第一歩です。ここでは、交渉のテーブルに着く前に必ず行うべき2つの準備について解説します。

2.1.1 周辺の家賃相場を徹底的に調べる方法

交渉における最も強力な武器は、現在の家賃や値上げ案が、周辺の類似物件と比較して妥当かどうかを示す客観的なデータです。 不動産情報ポータルサイト(SUUMO、HOME’S、アットホームなど)を活用し、自分の住んでいる物件と条件が近い物件の家賃を徹底的にリサーチしましょう。

調査する際は、以下の比較項目をできるだけ揃えるのがポイントです。

比較項目 チェックするポイント
立地 同じ最寄り駅、駅からの徒歩分数、周辺環境(スーパーや公園の有無など)
建物 築年数、構造(木造、鉄骨、RCなど)、総階数・所在階、オートロックの有無
部屋 間取り(1K, 2LDKなど)、専有面積(㎡)、部屋の向き(南向きなど)
設備 バス・トイレ別、独立洗面台、エアコン、追い焚き機能、宅配ボックスなど

類似物件を最低でも3〜5件リストアップし、それらの家賃の平均値を算出します。その結果、値上げ後の家賃が相場よりも明らかに高くなる場合は、強力な交渉材料となります。調査結果はスクリーンショットやURLを保存し、いつでも提示できるようにしておきましょう。

2.1.2 建物の状態や設備の不満点をリストアップする

家賃は、単に「部屋を借りる対価」だけではなく、快適な住環境を維持するための費用も含まれています。もし、建物の老朽化や設備の不具合、住環境の悪化など、現在の家賃に見合わないと感じる点があれば、それらも交渉材料になり得ます。

具体的には、以下のような点を客観的にリストアップしてみましょう。

  • 設備の不具合・老朽化: エアコンの効きが悪い、給湯器の温度が安定しない、インターホンが故障している、インターネット回線が遅いなど。
  • 建物の状態: 壁紙の剥がれやカビ、雨漏りの跡、共用廊下や階段の電球切れ、ゴミ置き場が常に汚れているなど。
  • 住環境の変化: 近隣に高層マンションが建って日当たりが悪くなった、以前はなかった騒音が発生しているなど。

これらの不満点は、「いつから、どのような状態で、どの程度の不便を感じているか」を具体的に記録し、写真や動画で証拠を残しておくことが重要です。修繕を要求すると同時に、それが改善されるまでは値上げに応じられない、という交渉の仕方が可能になります。

2.2 交渉を有利に進めるための具体的なステップとコツ

準備が整ったら、いよいよ実践です。やみくもに連絡するのではなく、戦略的に交渉を進めることで成功率を高めることができます。ここでは、交渉を有利に進めるための具体的なステップと、知っておきたいコツをご紹介します。

  1. 連絡方法を選ぶ: まずは電話ではなく、メールや書面で連絡するのがおすすめです。 感情的にならず、要点を整理して伝えられるうえ、やり取りの記録が残るため「言った・言わない」のトラブルを防げます。
  2. 交渉の切り出し方: 喧嘩腰や高圧的な態度は禁物です。「家賃を上げてほしくない」という要求だけを伝えるのではなく、「今後も長く住み続けたいと考えている」というポジティブな意思をまず示すことが、相手の心証を良くするコツです。
  3. 客観的な根拠を提示する: 準備した「周辺の家賃相場データ」や「建物の不満点リスト」を具体的に提示します。 「感覚的に高い」ではなく、「類似物件の平均家賃は〇〇円なので、今回の値上げ額は相場を上回っています」といったように、数字や事実に基づいて冷静に説明しましょう。
  4. 落としどころを探る: 全面的な値上げ拒否が難しい場合でも、交渉の余地はあります。例えば、「値上げ幅を半額にしていただけないでしょうか」「エアコンを最新のものに交換していただけるなら、今回の値上げを受け入れます」といった代替案(バーター交渉)を提示することで、お互いが納得できる着地点を見つけやすくなります。

交渉のタイミングとしては、契約更新の通知が届いてから1ヶ月以内、遅くとも更新時期の2〜3ヶ月前には始めるのが理想的です。 大家さんや管理会社も余裕をもって検討する時間ができ、交渉がスムーズに進みやすくなります。

2.3 そのまま使えるケース別交渉例文集

実際にどのように伝えればよいか、具体的な例文をケース別にご紹介します。これらの例文を参考に、ご自身の状況に合わせてアレンジして活用してください。連絡は管理会社、または大家さん宛てに行います。

2.3.1 ケース1:周辺相場より高いことを理由にする場合

件名:〇〇マンション〇〇号室の家賃改定に関するご相談

いつもお世話になっております。
〇〇マンション〇〇号室に入居しております、〇〇(氏名)と申します。

先日、家賃改定の通知書を拝見いたしました。
現在の住まいには大変満足しており、今後も長く住み続けたいと考えております。

ただ、提示された改定後の家賃について、周辺の類似物件の家賃相場を調べたところ、相場よりも少し高いように感じております。(例:同程度の築年数・広さの物件は〇〇円前後が相場のようです。)

大変恐縮なお願いではございますが、現在の家賃のままで契約を更新していただく、もしくは値上げ幅の再検討をいただくことは可能でしょうか。

お忙しいところ申し訳ございませんが、ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。

2.3.2 ケース2:建物や設備の不備を理由にする場合

件名:〇〇アパート〇〇号室の家賃改定と設備に関するご相談

いつもお世話になっております。
〇〇アパート〇〇号室に入居しております、〇〇(氏名)です。

この度は、家賃改定のお知らせをいただき、ありがとうございます。
ぜひ前向きに検討したいと考えているのですが、一点ご相談がございます。

以前からお伝えしております、浴室の給湯器の不調(お湯の温度が安定しない)について、改善が見られない状況が続いております。日々の生活で不便を感じており、もし可能でしたら、家賃改定のこの機会に点検・修理、あるいは交換をご検討いただくことはできませんでしょうか。

もし設備の改善が難しいようでしたら、大変恐縮ですが、今回の家賃値上げについて、一度見送っていただくことは可能でしょうか。

今後も快適に住み続けたいと思っておりますので、お忙しい中恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。

2.3.3 ケース3:長く住んでいる優良入居者であることをアピールする場合

件名:〇〇ハイツ〇〇号室の家賃改定に関するお願い

いつも大変お世話になっております。
〇〇ハイツ〇〇号室の〇〇(氏名)です。

先般、家賃改定の通知をいただき、確認いたしました。
入居してから〇年が経ちますが、住み心地が良く、大変感謝しております。

これまで家賃の滞納もなく、隣人の方々とも良好な関係を築きながら、大切に暮らしてまいりました。私としましては、今後もできる限り長く、この部屋に住み続けたいと心から願っております。

つきましては、まことに勝手なお願いで恐縮ですが、これまでの居住実績をご賢察いただき、今回の家賃改定を見送っていただくことはご検討いただけないでしょうか。

ご多忙の折、大変恐縮ではございますが、何卒ご配慮いただけますようお願い申し上げます。

3. 交渉がうまくいかなかった場合の選択肢

家賃の値上げ交渉は、必ずしも自分の希望通りに進むとは限りません。大家さん側の事情もあり、交渉が平行線で終わってしまうこともあります。しかし、そこで感情的になる必要はありません。冷静に次の手を考えることが重要です。交渉が不調に終わった場合の選択肢は、大きく分けて「値上げを受け入れる」か「引っ越しを検討する」の2つです。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の状況に合わせて最適な判断を下しましょう。

3.1 家賃の値上げを受け入れるメリットとデメリット

交渉の末、提示された値上げ幅がやむを得ないと判断した場合、値上げを受け入れることも一つの選択です。住み慣れた環境を維持できる一方で、家計への負担が増えるという側面もあります。メリットとデメリットを客観的に比較し、慎重に判断することが求められます。

家賃値上げを受け入れるメリット・デメリット
メリット デメリット
費用面 引っ越しにかかる初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)や引っ越し業者への支払いが不要。 毎月の固定費である家賃が増加し、長期的に家計を圧迫する可能性がある。
時間・労力面 物件探しや荷造り、各種手続き(住所変更など)といった、引っ越しに伴う膨大な手間と時間を節約できる。 特になし。現状維持のため、新たな手間は発生しない。
環境面 住み慣れた地域や現在の通勤・通学ルート、近隣住民とのコミュニティを維持できる。 周辺相場より割高な家賃を払い続けることになる可能性がある。
貸主との関係 大家さんや管理会社との関係悪化を避け、良好な関係を継続できる。 一度値上げに応じることで、将来的に再び値上げ交渉をされる可能性がゼロではない。

値上げを受け入れる最終判断の前に、値上げ後の家賃が、本当に自身の家計にとって許容範囲内なのかを改めてシミュレーションすることが不可欠です。

3.2 引っ越しを検討すべきタイミングの見極め方

家賃の値上げは、現在の住環境やライフプランを見直す良いきっかけにもなります。交渉が決裂し、値上げ額に納得できない場合は、新しい物件への引っ越しを具体的に検討しましょう。感情的に判断するのではなく、以下のポイントを基準に冷静に見極めることが大切です。

  • 値上げ後の家賃が周辺相場を大幅に超える場合
    提示された値上げ後の家賃が、同じエリアにある同程度の築年数・間取り・設備の物件と比較して、明らかに割高になる場合は引っ越しを検討する有力な理由となります。不動産情報サイトなどで類似物件の家賃を複数調査し、客観的に比較しましょう。

  • 家計への負担が許容範囲を超える場合
    一般的に、無理のない家賃は手取り収入の3分の1以内と言われています。値上げによってこの割合を大幅に超えてしまったり、貯蓄や他の生活費を圧迫したりするようであれば、長期的な視点で見て引っ越した方が経済的メリットは大きいと言えます。

  • 契約更新のタイミングが近い場合
    多くの賃貸契約では2年ごとに契約更新があり、その際に更新料が発生します。 もし値上げ通知のタイミングが次の契約更新時期に近いのであれば、「値上げされた家賃+更新料」を支払って住み続けるコストと、引っ越しの初期費用を天秤にかけることが重要です。更新前に引っ越すことで、更新料の支払いを避け、その分を新しい住まいの費用に充当できます。

  • 現在の住環境に元々不満があった場合
    「設備の古さが気になる」「日当たりが悪い」「隣人の騒音がストレス」など、現在の住まいに何らかの不満を抱えているのであれば、家賃の値上げはそれを解消するための絶好の機会と捉えることができます。値上げをきっかけに、より快適な住環境を求めて新しい物件を探すのは非常に合理的な選択です。

なお、交渉が決裂しても、値上げ前の家賃を支払い続けていれば、大家さんが一方的に契約を解除し、強制的に退去させることは法律上できません。 万が一、協議がまとまらない場合は、最終的に民事調停や訴訟に発展する可能性もありますが、これは貸主・借主双方にとって時間と労力がかかる手段です。 そのため、多くは当事者間の話し合いの中で「値上げを受け入れる」か「借主が退去する」かのいずれかで決着します。冷静に自身の状況を分析し、後悔のない選択をしましょう。

4. 家賃値上げをきっかけに引っ越す費用を抑える秘訣

家賃の値上げ交渉が不調に終わった場合、引っ越しは有力な選択肢となります。しかし、新しい生活への期待と同時に、引っ越しには多額の費用がかかるという現実も無視できません。家賃の値上げ額と引っ越し費用を天秤にかけ、冷静に判断することが重要です。ここでは、家賃値上げをきっかけに引っ越しを決断した際に、その費用を可能な限り抑えるための具体的な秘訣を詳しく解説します。

4.1 引っ越しにかかる初期費用を安くする方法

引っ越しの際に最も大きな負担となるのが、賃貸契約にかかる初期費用です。一般的に家賃の4〜6ヶ月分が必要と言われていますが、物件の選び方や契約のタイミングを工夫することで、この費用を大幅に削減することが可能です。

4.1.1 初期費用の内訳と節約のポイント

まずは、初期費用にどのような項目があるのかを把握しましょう。一般的な内訳と、それぞれの費用を抑えるためのポイントを以下の表にまとめました。

費用項目 内容 節約のポイント
敷金 大家さんに預ける保証金。退去時の原状回復費用などに充てられ、残額は返還される。 「敷金ゼロ」の物件を選ぶことで、初期費用を大きく抑えられます。ただし、退去時にクリーニング代などを別途請求される場合があるため、契約内容をよく確認しましょう。
礼金 大家さんへのお礼として支払う費用。返還されない。 「礼金ゼロ」の物件は増えています。 これらを選ぶことで、家賃1〜2ヶ月分の費用を削減できます。
仲介手数料 物件を紹介してくれた不動産会社に支払う手数料。上限は家賃の1ヶ月分+消費税。 不動産会社によっては「仲介手数料半額」や「無料」のキャンペーンを行っている場合があります。 複数の不動産会社を比較検討しましょう。
前家賃 入居する月の家賃を事前に支払うもの。 月の途中から入居する場合は日割り計算になります。入居日を月初に設定することで、二重払いの期間をなくし、無駄な出費を抑えられます。
フリーレント 入居後、一定期間(0.5〜2ヶ月程度)の家賃が無料になる物件。 フリーレント付き物件を選ぶと、初期費用の前家賃が不要になり、負担を大幅に軽減できます。 ただし、短期解約で違約金が発生するケースが多いため、契約期間や条件を必ず確認しましょう。

4.1.2 引っ越しの時期を工夫する

不動産業界には繁忙期と閑散期があります。新生活が始まる1月〜3月は繁忙期で、物件の競争率が高く、家賃交渉も難しい傾向にあります。 一方で、4月下旬〜8月や11月〜12月といった閑散期は、空室を避けたい大家さんが家賃を下げたり、フリーレントを付けたりしてくれる可能性が高まります。 時期を調整できるのであれば、閑散期を狙って物件を探すのが賢い選択です。

4.2 複数の引っ越し業者から相見積もりを取る重要性

引っ越し料金には定価がなく、同じ荷物量や距離でも、依頼する業者や時期によって金額が大きく変動します。そのため、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」が、費用を抑える上で絶対に欠かせません。

相見積もりを取ることで、料金の比較ができるだけでなく、業者間の競争を促し、価格交渉を有利に進めることができます。 最近では、インターネットの「一括見積もりサイト」を利用すれば、一度の入力で複数の業者から簡単に見積もりを取得できます。

見積もりを取る際は、最低でも3〜5社に依頼し、料金だけでなく、サービス内容やオプション、担当者の対応などを総合的に比較検討することが重要です。 また、他社の見積額を提示して「A社は〇〇円だったのですが、もう少し安くなりませんか?」と具体的に交渉することで、より有利な条件を引き出せる可能性が高まります。

4.3 火災保険や家賃保証会社の見直しで節約する

賃貸契約時に加入が求められる火災保険や家賃保証会社も、見直すことで費用を節約できるポイントです。

4.3.1 火災保険は自分で選べる

多くの場合、不動産会社から指定の火災保険を勧められますが、大家さんが求める補償内容を満たしていれば、自分で選んだ保険に加入することが可能です。 不動産会社が提携している保険は、不要な補償が含まれていて割高な場合があります。 自分でインターネット保険などを探し、必要な補償(借家人賠償責任保険など)に絞って加入することで、保険料を年間数千円〜1万円以上節約できるケースも少なくありません。

4.3.2 家賃保証会社の選択肢を確認する

家賃保証会社は、連帯保証人の代わりとなる重要な役割を担っており、近年では加入が必須の物件がほとんどです。 基本的には大家さんや管理会社が指定した保証会社を利用することになりますが、複数の保証会社と提携している不動産会社もあります。 もし選択の余地がある場合は、初回保証料や更新料を比較検討しましょう。保証会社によって料金体系は異なるため、少しでも安い会社を選べれば、長期的なコスト削減につながります。

5. 家賃の値上げに関するよくある質問 Q&A

突然の家賃値上げ通知に、多くの方が疑問や不安を感じるものです。ここでは、家賃の値上げに関して寄せられる代表的な質問とその回答を、法的根拠も交えながら詳しく解説します。

5.1 Q1. 大家さんからの一方的な家賃の値上げは法的に問題ないのでしょうか?

大家さん(貸主)が一方的に値上げを通知すること自体は、借地借家法第32条で定められた「借賃増減請求権」という権利に基づくものであり、通知自体が直ちに違法となるわけではありません。 しかし、重要なのは、その値上げが法的に有効となるのは、借主であるあなたが同意した場合、または裁判所の調停や判決で決定された場合に限られるという点です。 つまり、通知が来たからといって、自動的に値上げが確定するわけではないのです。

もし、値上げに納得できない場合は、拒否する権利があります。 拒否したうえで、これまで通りの家賃を支払い続けていれば、家賃滞納にはならず、契約を解除される心配もありません。 万が一、大家さんが従来の家賃の受け取りを拒否した場合は、「供託」という手続きを利用できます。これは、法務局に家賃を預けることで、法的に家賃を支払ったとみなされる制度です。 この手続きにより、家賃未払いを理由とした契約解除のリスクを回避することができます。

5.2 Q2. 値上げの交渉はいつまでに行うべきですか?

値上げ交渉の期限について、法律で明確な定めはありません。 しかし、一般的には、値上げ通知書に記載されている「回答期限」や、新しい家賃の「適用開始日」までに行動を起こすのが望ましいとされています。通知を受け取ったら、できるだけ早く、理想を言えば1〜2週間以内には交渉の意思を伝えるのがスムーズです。

特に契約更新のタイミングで値上げ通知が来た場合は、更新手続きが本格的に始まる前に交渉を開始することが重要です。 タイミングを逃してしまうと、大家さん側も事務手続きを進めてしまい、交渉が難しくなる可能性があります。何よりも、問題を先延ばしにせず、早めに対応することが肝心です。

5.3 Q3. 更新料の支払いと家賃の値上げは関係ありますか?

更新料の支払いと家賃の値上げには、直接的な法的な関連性はありません。 更新料は「契約を更新するための手数料・謝礼」、家賃は「物件を使用するための対価」と、それぞれ性質が異なります。したがって、「更新料を支払ったから、家賃の値上げには応じない」という主張は法的な根拠にはなりにくいのが実情です。

しかし、実際には、2年に1度の契約更新のタイミングは、貸主側が家賃を見直す良い機会と捉えられており、更新の案内に合わせて家賃値上げの通知が届くケースが非常に多いのが実情です。 家賃が上がると、それに伴い更新料や敷金、火災保険料なども増額される可能性があるため、更新時の通知内容は注意深く確認する必要があります。

5.4 Q4. 家賃の値上げに応じないと、強制的に退去させられますか?

結論から言うと、家賃の値上げに合意しないことだけを理由に、強制的に退去させられることはありません。 日本の借地借家法では、借主の居住権が強く保護されています。 貸主が賃貸契約を解除し、借主に退去を求めることができるのは、数ヶ月にわたる家賃滞納や、物件の無断転貸など、貸主と借主の信頼関係を根本から破壊するような「正当事유」がある場合に限られます。

値上げに納得できず、従来の家賃をきちんと支払い(または供託し)続けている限り、それは家賃滞納にはあたりません。 そのため、値上げへの不同意が、退去を命じるための「正当事由」として認められる可能性は極めて低いと言えます。

5.5 Q5. 家賃の値上げ幅に、法律上の上限はありますか?

家賃の値上げ幅について、「〇%まで」といった具体的な上限を定めた法律はありません。 しかし、だからといって大家さんが自由にいくらでも値上げできるわけではありません。値上げ額が妥当かどうかは、個別の状況に応じて総合的に判断されます。 裁判所の調停や裁判になった場合、主に以下の点が考慮されます。

判断材料 内容
近隣相場との比較 周辺にある同程度の間取り、築年数、設備の物件の家賃と比較して不相当に安くないか。
固定資産税等の負担増 土地や建物にかかる固定資産税や都市計画税が増加したか。
不動産価格の変動 土地や建物の資産価値が、周辺の再開発などによって上昇したか。
経済事情の変動 物価の上昇など、社会全体の経済状況に変化があったか。

もし提示された値上げ額が、これらの要素を考慮してもなお、近隣の家賃相場から著しくかけ離れている場合は、交渉や法的手続きにおいて、その妥当性が認められない可能性が高いでしょう。

5.6 Q6. オーナーチェンジを理由に家賃が値上げされることはありますか?

アパートやマンションの所有者が変わる「オーナーチェンジ」が発生することがあります。しかし、新しいオーナーになったという事実だけを理由に、一方的に家賃を値上げすることはできません。 新しいオーナーは、以前のオーナーが結んでいた賃貸借契約の内容をそのまま引き継ぐ義務があります。したがって、家賃を値上げするためには、これまで説明してきたのと同様に、近隣相場との比較や税金の増加といった客観的で正当な理由が必要です。 もしオーナーチェンジを理由とした不当な値上げ通知が届いた場合でも、借主はそれを拒否することが可能です。

6. まとめ

家賃の値上げ通知が届いても、すぐに諦める必要はありません。借地借家法により、貸主からの一方的な値上げは認められておらず、借主には交渉する権利があります。交渉を成功させる鍵は、周辺の家賃相場や建物の状況を事前にしっかり調査することです。もし交渉が不調に終わっても、本記事で紹介した費用を抑える秘訣を活用すれば、有利な条件で新生活を始めることも可能です。冷静に情報を集め、ご自身の状況に合った最善の選択をしましょう。

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